以前のブログ「闇の医療 ワクチン 2」で
船瀬俊介氏の本を題材にワクチンの裏側に迫ってみました。
インフルエンザが猛威をふるい、学級閉鎖が相次いでいます。 皆さんの周りの方達は、「インフルエンザワクチン」を打ったにも関わらず、 多くの方がインフルエンザにかかっていることでしょう。 風[…]
あの本は読むと面白いのですが、非常に怖くなってしまいます。
残念ながら偏りと誤りもあると見受けられます。
そこで今回は、ワクチンは何を受けたら良いの?
という肝心な処をみていきましょう。
私がこの分野で一番頼りにしている方は、母里啓子(もりひろこ)さんです。
元国立公衆衛生院疫学部感染症室長であった彼女は、
この分野の最前線で業務をこなし、何十年もワクチンや感染症の変遷をありのまま観てきた人物です。
尚且つ、厚生省の傘下の組織に居ながら、
インフルエンザワクチンの不必要性や無用なワクチンに対して堂々と発言してきた方です。
(つまり、権力や金銭的な力で発言を変える御用学者とは違うといえます。)
また、西洋医学の分野は時代と共に大きく内容が変わる事がよくあります。
特にワクチンの分野は、この数年の間でも3種混合ワクチンが4種混合になり、
ポリオの生ワクチンが不活化ワクチンになり、
今までなかった任意のワクチンが承認される様になっています。
また、2009年頃より日本では安全性が疑われていた為に、
使用されていなかったアジュバント(免疫増強剤)が含まれるワクチンを輸入する様になっています。
これらの理由も知らぬまま、ほとんどの方が為されるがままに接種しています。
こういった事を考慮すると、知識を更新しながら最新版を覗いていく事が必要になります。
そこで母里啓子さんの2013年10月に発行している
「子どもと親のためのワクチン読本」から抜粋して考えていきましょう。
まず、母里啓子さんが勧めているワクチンは2つです!
1、麻疹(はしか)ワクチン
2、破傷風ワクチン
赤ちゃんの家族がB型肝炎のキャリアである場合等は、
赤ちゃんに移さない為にワクチンの接種は必要としますが、
それ以外は単純に上記の2種類のみで良いと言われています。
ではこの2種類の特徴を観てみましょう。
1、麻疹
自然感染する機会が少なく、かかると重い病気。
予防するならワクチン接種しかありません。
(はしかに感染する機会があまり無い為)
症状:
最初は高熱が出て、一度下がった後、再び高熱が出ます。
小さな赤い発疹が現れ、その発疹と前後して口の中に白い斑点が出来るのが特徴。
39度以上の高熱が続き全身に発疹が広がった後、回復していきます。
現在では、はしかで命を落とすことはめったにありません。
最近は環境の改善やワクチン接種の効用の為、
麻疹患者を診た事がない医師も増えているそうです。
○麻疹ワクチンを打っていた方が良い理由
ワクチン接種の出来ない月齢の乳児にはしかが感染することです。
また、親の立場から言えば、物言えぬ赤ん坊が罹ったなら、
高熱を出しているのを黙ってみなければならない苦しさがあります。
昔のお母さんは、自然に獲得した麻疹に対する強力な免疫
(ワクチンでは得られない)を手に入れていました。
それを胎盤を通して赤ん坊に渡されていた為、
2歳ぐらいまでは麻疹にかかることは無かったのです。
しかし、今は麻疹の流行もなく(何処に行けばもらえるか分からない)、
免疫が刺激され強化されることがほとんどありません。
ですから、ワクチンを打っておく事で予防につながります。
只、ワクチンを接種しても免疫が作られず、その病気になる事はあります。
(知人は麻疹ワクチンをしたにも関わらず、麻疹にかかっています。
しかし、そのお陰で抗体検査では強力な免疫を持っている事が確認されています。)
定期接種の中では麻疹ワクチンは風疹ワクチンとのセットでMRワクチンとしてあります。
特に風疹ワクチンは必要ないので、
麻疹ワクチンだけを単独で取り寄せてもらう事が出来るそうです。
2、破傷風ワクチン
日常生活では感染せず、稀ではあるがケガをした時の用心の為のワクチン。
破傷風菌は嫌気性菌の為、空気に触れない土の中に生きています。
道路で転んで擦りむいても、空気に触れている為に破傷風の危険はありません。
発生経路:
水中での傷や、古釘を踏み抜く等、空気が触れない所で傷口が
破傷風菌に汚染された土に触れると感染する危険があります。
破傷風は自然感染によって免疫を作る事が出来ないそうです。
これは驚きですが、もしもに備えるという意味であっても良いと思われるワクチンです。
定期接種の中では4種混合ワクチンの中に含まれています。
4種とはジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオです。
必要と思われるのは破傷風なので単独で打ってもらうという選択があります。
(ただし、この場合は自費)
○ジフテリアは抗菌剤の無かった時代や第2次世界大戦の混乱時に猛威を振るい、多くの死者がでた病気。
恐い病気の様に思いますが、
生活環境が整い、栄養状態が良くなった現在、
もし感染しても発症しない病気です。
抗生物質で簡単に治ってしまいます。
日本では1999年に1人発症したのみでそれ以降は1人も発症していません。
○百日咳は多少の接種のメリットはあるそうです。
(重篤になるのは6ヶ月未満の乳児)
2008~2010年の調査では死亡や後遺症の例はありません。
○ポリオ(急性灰白髄炎、別名は小児麻痺)は世界のほとんどで根絶宣言が出ています。
感染してもほとんど風邪の症状の様に治ります。
90~95%は無症状のまま免疫がつきます。
現在、ポリオのある国はアフガニスタン・パキスタン・ナイジェリアの3ヶ国のみ。
上記の国にいく事が無ければ無意味なワクチンです。
ワクチンを受ける時の注意
○同じ日に複数のワクチン接種をしないこと
日本では26年間の予防接種被害の訴訟の末に、同時接種しないことを確立しました。
しかし、現場の医師に委ねられ、時間が無い等の理由から、
親や医師の都合で1日に何種類ものワクチンを接種することがあります。
もし死亡や後遺症が発症した場合は、
同時にワクチン接種した為に因果関係がハッキリしないという理由から、
補償を受ける事が困難になります。
○赤ちゃんの体調が悪い場合は絶対に接種しないこと
ワクチンを打つのも良し、拒否するのも良し、選択は自由です。
必要なモノを取捨選択していきましょう。
「子どもと親のためのワクチン読本」
母里啓子(もりひろこ) 著ワクチンの選び方、歴史、作用と副作用について漫画を交えながら、
非常に分かりやすい説明で書かれた本。
母里さんの素晴らしい所は研究者としての純粋性と柔軟性といえます。
例えば、彼女は自分自身あまりワクチンを打っていないそうですが、
ある時B型肝炎の母子感染防止制度を作る時に、
実験的に自分の腕に赤ちゃんに打つ20倍量のB型肝炎ワクチンを打ったりして実験しています。
また、赤痢菌が見つかり病院に収容されそうになった学生を逃がしたことがあるそうです。
人にうつす心配もないのに卒業試験を受けられず、
1年を棒に振ってはいけないという思いからです。
正しい知識があるから出来ることです。
○風疹
風疹ワクチンは妊娠したい女性だけで良いワクチン。
子供の時に受けるのではなく結婚適齢期に検査して、
免疫が無ければワクチンを打って予防しておけばもしもの時の保険になります。
そもそも、ものすごく弱いウイルスなので、罹っていても気づかない事が多いのです。
妊娠初期に罹ると子供に先天性の病気を残す可能性があります。
ワクチンは強制接種の時代から定期接種(親がワクチンを選ぶ)時代に移行しました。
ワクチン接種をする事の利益と接種後の副作用の割合を考慮した場合、
強制接種をする理由が無くなった事を意味しています。
海外に行く場合は、その時に必要なワクチンを打てば良いでしょう。