お盆休みに山でトレッキングをしていた。
何度か通った事のあるルートでも、下りで初めて使うと景色が変わり、
道に迷う事はしばしばある。
滝壺にでた時に下りるには危なすぎて、流石にそこは迂回したものの、
やはり崖を下っていくしか無くなった。
しかし、そこも途中までしか行けず、危なっかしい斜面をどうするか迷った。
引き返すにはちょっと遠すぎるしなぁ~、と思い、掴める処もあやふやなのに
行く事にしたのだった。
それが判断ミスだった。
「あっ!!」
その瞬間に斜面を滑った・・・。
気が付けば、左のハムストリングが吊って動けない・・・。
両手は擦り傷、あれ、右目が痛い!
いや、その前に視界がおかしい・・・。
右目だけで見ると、曇ったガラス瓶のようだ。
随分と霞んでいるではないか!?
しかも、あまり見えていない・・・。
どうやら、小枝で右目をかすったらしい。
「角膜をやっちまったなぁ~、これは右目が使えなくなるかもなぁ~」
さて、貴方ならどう思うだろうか?
私は案外、普通だった。
「この程度で済んで良かったわ~」
「もっとこれから危ない処に遭遇した時に、落ちて死ぬ処はいくらでもあるし、
安全確保の重要性を学べたから、助かったなぁ~。」
「IPS細胞で角膜移植が当たり前になるのも時間の問題だから、良い時代だわ」
本当にそう思ったのだから、ポジティブな考え方である。
というのは、若かりし頃は私は何度も病気で生と死の狭間を生きて来たし、
絶対治らないと言われる怪我も多かったので、片目が見えなくなる事に、
それ程、心を揺さぶらされなかったのは当たり前かも知れない。
失明を意識した事も過去にはあるくらいだから、尚更なのだ。
しかもそんな状況下でも、病院に行く事はしないし、普通の生活を何気なくする。
誰も私を病人だとは思った人はいないだろう。
そもそも、この世界に入って、ある1日で人生が変わるダメージを体に受けて試練を受けたが、
「自分で治せないのに、治療家を名乗ったらダメやん!!」
「自分で治せないなら、死を選ぼう!」
それが若い頃の私の考えだったので、治す技術なら分野や流派は何でも良かった、
「本物か否か」
只、それだけであったのが無双堂鍼灸整骨院(宝塚市)の技術の発端となっている。
「院長は目を怪我したってのに、眼科に行ってないんだぜ~~。ワイルドだろぉ~~!」
とスギちゃんの物真似を患者さんに言っていた。
さて、話を戻して、3日間は目の充血が酷かったのと、
痛みが強く出ていたので、片目の生活をしながら炎症が収まるのを待った。
患者さんには
「独眼竜の正宗になりましてね、あの眼帯つけて治療しよっかなぁ~」
とか、アニメの「東京喰種(東京グール)」を知っている子には、
「隻眼のグールになったんだよ、今日から金木君って呼んでね(笑)」
と冗談ばかり言っていた。
どうやって視力を回復させたかというと
1、どのタイミングで目を開けてモノを見だすか
2、見えない視力をどう作り出すか
3、左目と右目の情報処理を脳で、どうつなげて覚え込ますか
4、右目が見えてきた時に反応が遅いので、遠近の訓練の仕方 ‥など
上記の点を意識したのと、毎日、目に「眼窩内刺鍼」を行った。
メニューの「眼窩内刺鍼」の内容のものだが、患者さんにする鍼とは違う打ち方をていた。
通常、患者さんに使う鍼は、極細の02番(直径0.12㎜)を1cmくらい刺すが、
私には1番鍼(0.16㎜)を3~4cmとかなり深く刺していた。
10日程過ぎてからは、寝ている時に刺して、6時間位入れっぱなしにしていた。
あとは、鍼と氣をコラボした「鍼氣術」でひどい乱視に功を得た。
こんな感じで17日後に、運よくかなりの回復を得る事ができた。(ラッキー)
そして、細かい情報を掴むことができたのだった。
回復した2日後の8/29に、大阪大で世界で初のiPS細胞を使った角膜移植が成功した、
とニュースに挙がった!
いや~、医学の進歩は素晴らしい!!
これからは西洋医学が楽しみの時代ですね。
「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載し9月に最終回を迎えた石田スイの漫画「東京喰種トーキョーグール」の続編が決定。TV…
「東京喰種」
もう少しでこのマスクを着ける事になりそうだった(笑)